今回はSAWシリーズの三作目「SAW3」の感想です。前作に出てきたキャラの再登場もあります。
物語は「SAW2」のその後のシーンから始まります。SAW2でエリック刑事と共に事件を追っていたアリソンは、エリックの身を案じながらその後もジグソウの事件を追っていました。そして今回のゲームがジグソウの仕業ではないと判断します。一体誰の仕業なのか、家で一人調べるアリソンはジグソウに捕まりゲームにかけられて死亡してしまいます。
場面は変わり病院へ。そこで勤務する医者のリンは家庭がうまくいっておらず、思い悩んでいたある日ジグソウに拉致されます。そこで余命まもないジグソウ(ジョン)にゲームを仕掛けられます。それはある男性「ジェフ」が受けている別のゲームが終わるまで、自分の生かせというものでした。

登場人物
アマンダが三回目の登場です。今回はゲームを受ける二人とアマンダの話が中心となります。
※以下ネタバレ注意
ジェフは現在娘と二人暮らしです。息子を交通事故で失ってからというもの、家族を顧みず事故の関係者である人間たちに復讐することをずっと考えて生きてきました。ジグソウはそんな彼を拉致し、あるゲームを仕掛けます。それはかつて息子を失った交通事故の関係者を許すか否かのゲームです。
最初のゲームは冷凍室にて、拘束された女性がいました。彼女は事故の唯一の目撃者でしたが、事故の証言をしませんでした。迷った末に助けようと負傷しながらも決死の思いで鍵を取ります。しかし間に合わず女性は鍵穴ごと凍り付いてしまいました。
次のゲームは屠殺場で、大きな窯のようなものの底に固定された男性がいました。彼は息子を轢いた犯人に対し刑を下した裁判官でした。悩んだ末にジェフは彼を助けました。
三人目はジョンの作った拷問機にかかっている男性、彼が息子を轢いた犯人です。彼を解放するための鍵を取ろうとしたジェフですが、鍵を取った拍子に罠が作動、裁判官の男性の頭に命中し死亡してしまいます。その後犯人の男性も、鍵を取ったもののすでに機械により死亡してしまいました。
ジェフはその後も脱出のため建物を進み、最後のゲームへ進むことになります。
一方医師のリンはゲームが行われている間、ジョンの命をなんとか繋ごうと脳圧を下げる手術に踏み切ります。リンとジョンが言葉を交わす度に、リンを特別に扱っていると勘違いするアマンダは激情に駆られます。アマンダはとうとう彼女を殺そうと銃を構えますが、ジョンに止められます。しかしアマンダは耐え切れずに彼女を撃ってしまいました。
そしてそのタイミングでジェフが現れます。実はジェフとリンは夫婦であり、妻を撃ったアマンダに怒りジェフはアマンダを撃ち殺します。今回の二人のゲームは、実はアマンダが自分の後継者足りえるかを試すためにアマンダに課せられたゲームだったのです。これまでアマンダの仕掛けたゲームは相手を生かす気がまるでなく、ジョンの意志に反していました。今回のゲームは、アマンダに与えられた最後のチャンスだったのです。
そしてジェフはジョンと対峙します。ジェフの最後のゲームは、ここまで自分を苦しめたジョンを赦せるかというものです。ジェフは「お前を赦そう」と口にはしましたが、怒りに任せジョンを電動ノコギリの歯で殺害します。ジョンが死んだことでリンの罠が作動、リンも死亡します。最後の力でジョンがレコーダーのスイッチを押しました。そこには「娘は徐々に酸素のなくなる場所にいる。居場所は自分しかしらない」とあり、ここで映画は終了しました。
★感想
相変わらず嫌な方向によくできてるな~と思いました。SAWを見てきていればジョンに手をかけるのは絶対ヤバいとわかりますね。ジョンを殺したことで息子どころか娘も妻も一気に失うことになるとは・・・これまでのゲームで赦すべきだと訴えられてきたはずなのに、土壇場でこうなってしまうのは心情的には仕方ないのかもしれませんね。
SAW3から一気にスプラッターのレベルが跳ね上がります。出だしの二人のゲームが特にグロく、拷問器具のエグさも尋常じゃないです。リンの装置も頭が吹き飛んでえらいことになってしまいました。
そして今回のゲーム、本当はアマンダが試されていたんですね。アマンダは情緒不安定で、リンとジョンの会話や場面を見て「自分よりリンが愛されてる」と勘違いしてしまったようでした。「リンと二人で話したい」と言ってアマンダを退出させたりする演出も、アマンダの勘違いを増長させていました。いままで誰よりも近くでジグソウのゲームを見てきたアマンダが、結局ゲームのルールを最後まで守れずに死んでしまうのが、何とも言えませんでしたね。
ストーリーは相変わらず楽しめますが今回からグロさが数倍引きあがっているので、耐性のある方か今までのゲームが生ぬるいと思っていた人にはオススメです。